残るものと、消えるもの。。。
先日、久しぶりに山中和紙(飛騨市河合町)の工房を訪ねた。
ここは800年の歴史と伝統を今もなお受け継ぐ、手漉き和紙を営みとしている。
いつも田舎のばあちゃん丸出しで、あったかく、そして丁寧に迎えてくださる柏木さんが私はとても好きである。何処となく、我が祖母に似てるのかもしれない、、、
いろんな話を聞かせて頂きながら、いつもながらにそのひたむきな姿に、唯々ココロウタレル。。。
今日まで先人が決死の思いで残してくれたこの文化を、自分の代で終わらせるわけにはいかないと、75歳になった今も決して手を抜かず、伝統の技法を守りつつ、孤軍奮闘してござる。
おそらく、儲かっていないであろう、、、
でも、それよりも何よりも、大事な”軸”をもってござる。
あの小っちゃくてかわいらしいその姿からは想像もつかないほどのパワーと信念がある。会って話をしていると、田舎のばあちゃんの優しさの中に、どこか力強さをも感じる。。。豪雪地帯ゆえに、何メートルも降り積もった雪の下で、じーっと春を待つ健気な花のようだ、、、
現代は豊かになってると思う。。。
この先も、もっと便利で、もっと快適で、もっと豊かな世の中になっていくに違いない。
当たり前のことだが、その”基準”から外れたものは、消えていってしまう。。。必要とされなければ当然の結果だ。
私の実体験の中でも、一生懸命頑張ったけど何とも埒があかなく、うまくいかずに消えてしまったことがある。もちろん、そんな大それた歴史があるわけでもないとても小さなことだが、、、
以前からずーっと思っていることがある。
いったい、「必死になってがんばる」って、どのくらいなんやろう、、、誰か基準になる人がおって、その人と比べてどうなのか、、、ということでもないと思う、、、所詮、人それぞれ価値観が違うんやで、点数の付け方が同じであるはずがない、、、
「頑張っとるけど、結果が出ない」、、、よく聞く話だ。
。。。正直、私自身も恥ずかしながら、そう思う時もある。
結果が出なければ、必要とされなければ、生き残っていくことはできない。たとえ”いいもの”と言われても、消えてしまうこともある。温情だけでは、現実を変えることはできない。
残していくためには何が必要か、、、
悩んで、苦しんで、もがいて、、、それでもまだ、悩んで、、、
先人も、おそらく同じ苦労をしてきたに違いない。。。いや、私たちの想像をはるかに超える努力かもしれない。
時代が変わって、世の中のしくみが変わっている以上、その変化に対応していかねばならない、、、暑くなれば服を脱ぎ、寒くなれば服を着る。。。当たり前のことだ。
今の世の中って、いったい”何℃くらい”なんやろう、、、
自分の寒暖計で常に測らなければならない。。。自分の肌で、その空気をツカムしかない。
残したい、、、残りたい、、、と真剣に思う。